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【事務所の引っ越し】移転前後で必要な手続きと費用内訳について解説
2022年09月22日コラム
事務所を引っ越すので準備をと言われても、何から始めたらよいのかわからず困る場合もありますね。
個人の引っ越しとは異なるので、手続きも複雑です。
旧オフィスは原状回復が必要で、新オフィス移転には関係各所に通知を出さなくてはなりません。
関連省庁への届け出も各省庁ごとに異なるので、事前に準備しておきましょう。
事務所の引っ越しで必要なものを解説しますので、参考にしてください。
【事務所の引っ越し】スケジュールと手順
事務所の引っ越しが決定したら、現事務所と新事務所への移動準備を同時進行で進めていきます。
一番早い段階で、半年以上前から対応を求められる場合もあるでしょう。
スケジュールを作成し進捗を確認しながら、期日までに引っ越しを完了しなくてはなりません。
対応が必要なものを時系列にまとめて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【事務所の引っ越しその1】半年前から5ヶ月前までに必要な手続き
事務所の引っ越しに関する手続きで、最初に対応が求められるのは現オフィスの解約手続きです。
解約は6ヶ月前には告知が必要なので、事前に解約手続きの準備を進めなくてはなりません。
手順は次の順番で進めていくとよいでしょう。
1. 現オフィスの解約通知
2. 現オフィスの原状回復工事を計画
3. 新オフィスを決定
【事務所の引っ越しその2】4ヶ月前までに必要な準備
引っ越しの4ヶ月前の段階では、新しい事務所に関連する準備を進めましょう。
移転先の事務所を決定してから、配置する什器や机や椅子などの家具や事務用品を選びましょう。
手順は次の順番で進めていくとよいでしょう。
1. 新オフィスのレイアウトを決定
2. 現オフィスから移動する什器や事務用品と家具などを選定
3. 現オフィスで移動せずに廃棄するものを選定し、廃棄に関する手続きを確認
【事務所の引っ越しその3】3ヶ月前までに必要な準備
現在の事務所に対し解約通知を送付し、新事務所のレイアウトが決まりました。
続いて引っ越しの3ヶ月前の段階では、具体的に移転する準備を進めていきます。
1. 引っ越し業者の選定と見積もり依頼
2. 引っ越し日を決定し発注
3. 事務所を引っ越しする旨を社員に通知
【事務所の引っ越しその4】2ヶ月前から1ヶ月前までに必要な準備
引っ越しの日まで2か月を切ると、移転までのカウントダウンが始まります。
書類作成や、官公庁へ届け出など必要な手続きが増えていくので1つずつ準備を進めましょう。
引っ越しの2ヶ月前~1ヶ月の段階では、具体的に移転する準備を進めていきます。
1. 引っ越しに関するマニュアルを作成しスケジュールを作成
2. 現オフィスの原状回復工事を発注
3. 普段使用していないものは梱包を開始(普段は使用せず保管している書類など)
4. 官公庁への届出や電話やネット回線の切り替え手続き
5. 取引先やコーポレートサイトなどに事務所移転の告知を出す
6. 社内文書の変更(取引先への発注書・受注書・パンフレットや名刺など住所や電話番号の記載のあるもの)
移転するにあたって、誰が何を担当するのかを決めていきましょう。
2ヶ月前から少しずつ移転に関わる業務が急ピッチに進んでいきます。
取引先やコーポレートサイトに事務所移転のお知らせを掲載するのも2ヶ月前~1ヶ月以内に済ませましょう。
【事務所の引っ越しその5】1ヶ月前から当日
引っ越し1か月前から当日までは、現オフィスと新オフィスの移転を進めます。
1. 新オフィスの物件引き渡しや荷物の搬入
2. 新オフィスの内装工事の実施
3. 官公庁への届出で移転後に必要な手続き
官公庁の手続きの中には、新しい事務所の内装工事が始まる7日前までに申請が必要な書類などもあるため、官公庁への届け出で忘れているものがないか確認しましょう。
事務所の引っ越しで必要な官公庁などへの届出の一覧
事務所の引っ越し手続きで大変なのは官公庁などに各種届出をする点です。
手続きの漏れがないよう一覧にまとめますので参考にしてください。
1. 郵便局:転居届
2. 法務局:本店・支店移転登記申請書
3. 税務署:異動届出書
4. 警察署:自動車保管場所証明申請書
5. 年金事務所:適用事業所所在地・名称変更届
6. 労働基準監督署ならびに公共職業安定所:労働保険所在地等変更届
7. 公共職業安定所:雇用保険事業主事業所各種変更届
8. 消防署:防火対象物使用開始届出書、防火対象物工事等計画届出書、防火管理者選任届出書
9. 銀行やクレジットカードの住所変更
事務所の移転で多くの手続きを行っているため、忘れがちになってしまいそうな書類での届け出を一覧にまとめました。
それぞれ申請可能なタイミングが異なりますので、事前に書類をそろえて準備しておいた方がよいでしょう。
事務所の引っ越しに掛かる費用の内訳
事務所を引っ越しにかかる費用を、退去時と入居時に分けて考えてみましょう。
● 退去時にかかる費用:原状回復工事費、廃棄物の処理代、オフィスの賃料
● 入居時にかかる費用:敷金、礼金、仲介手数料、保証会社加入料、火災保険料、内装工事費、通信工事費、備品などの購入費、引っ越し費用など
事務所の規模や利用していた人数によって引っ越しに掛かる費用は異なります。
原状回復はカーペットの張替えや、水回りのレイアウトを変更していると原状回復費用は高くなるでしょう。
敷金や礼金も数か月単位で発生する例もあります。
まとめ
事務所の引っ越しは一番早いもので6ヶ月前には手続きが必要です。
現事務所と新事務所の引っ越し作業を同時進行しなくてはなりません。
引っ越し業者の発注、原状回復工事の発注、電話やネット回線の切り替えなどは早めの対応が必要です。
官公庁への届出は種類も多く、対応期限が短いので忘れずに対応しましょう。
引っ越しに掛かる費用は、新事務所の敷金、礼金などまとまった費用が必要です。現事務所と新事務所の両方の費用を確認しておくのが大事です。